はるほをのぞく時

はるほもまたこちらをのぞいている…happyに生きたい大学院生(心理学)のブログ

BLACK LIVES MATTER

週末は母と高齢の祖母の家に行くことが習慣になっていたのだけれど、緊急事態宣言が発令されてからは、行くことができなかった。今日は緊急事態宣言が発令されてから行けていなかった祖母の家に行ったことを書こうと思っていたが、今アメリカで問題になっている人種差別に関することを書きたいと思った。

 

アメリカではとても大規模なデモが行われている。その原因は、白人の警官が「息ができない」と言っている無抵抗な黒人の首を膝で押さえつけ殺害したことにある。

米ミネアポリス市警の元警官、黒人男性の殺人罪で起訴 - BBCニュース

米黒人男性の死は「殺人」と、正式な検視結果で 死因は「首の圧迫による心停止」 - BBCニュース

 

SNSで拡散されていた映像をみたが、あまりにもひどい映像だった。この出来事だけでひどい話ではあるが、この問題がどんなに根強い問題となっているのかは、私はアメリカに住んだこともなければ行ったこともないので、感じ取りきれていないところもあるかもしれないと思う。感じ取れたことがあるとすれば、海外ドラマなどで出てくる差別的な発言だろう(私が大好きなcriminal mindsではたまに出てくるセンシティブな話題だ)。あとは高校時代に暗唱したキング牧師のスピーチくらいであろうか。

 

どうであれ、人種差別は言語道断であるし、今回亡くなったGeorge Floydさんの遺された家族の怒り、悲しみを考えると心が痛む。

 

この件に関して、Z世代を代表するシンガーのBille EilishがInstagramに投稿したポストを読んで妙に納得した…納得?なんと言ってよいのかわからないが、腑に落ちた感じがした。

 

Black lives matter (黒人の命は大切)とみんなが主張している中、一部の白人がAll lives matter(みんなの命は大切)と声をあげているらしい。Billeはそれに対して、「誰もあなたが大変じゃないなんて言ってない」、Black lives matterをしっかり理解して欲しいと、例え話を交えながら主張した。

 

確かに今回このような大きな問題になっているのは、黒人が白人の警察官にひどい扱いを受けたことで死亡してしまったこと、そしてそれは「黒人であるがゆえに」でありアメリカでは「よくある」問題であること。Black lives matterの文脈には、「白人の命は大切でない」ということは全く含まれていない。

 

どちらかの権利を主張した時、片方が、権利を迫害されたように感じてしまう。そして問題の論点をすり替えてしまう。

 

今回は人種による差別に関することが問題となったが、これはどんな問題の主張にも当てはまることだと思う。最近は、ある集団が差別的に感じていることを主張しやすい世の中になってきている(のではないか)。何か問題に対して声をあげて社会を変化させようとするのはとても良いと個人的に思う。ただ、主張しやすくなった一方で、今まで表面化してこなかった問題が表面化し、衝突も増えてしまっているのではないか(今回の人種差別の話ではなく、日本で、特にSNS上で見られる、と思う)。それは、差別されていると主張する側とそうでない側の両者の主義主張の衝突だけではない衝突が生まれてしまう。差別されている方の「主張」をそうでない側に対する「批判」ととってしまったり、「主張」を掻っ攫っていってしまう。今回も、All lives matterは「白人だって」という思いから、主張の略奪が起こったのだろう。

 

社会を変化させるような活動が多く見られるようになった分、どちら側になるかはわからない。迫害されていると主張している側かもしれないし、そうじゃないかもしれない。同じ集団でも、迫害されていると感じないかもしれないし、みんなが感じていないだけで、自分は迫害を感じるかもしれない。しかしどの立場であれ、私たち一人一人が、主張している人から、「主張」を奪ってはいけない。そして「主張」を「批判」だと勝手に勘違いをして被害者意識は持ってはいけない、と考えさせられた。

 

Billeの例え話は本当にわかりやすいのでぜひ読んで欲しい(といってもたくさん報道されているので私が言わなくともみんな読んでるかも…)。弱冠18歳でこんなに物事を的確に捉え、こんなにわかりやすく表現できるなんて、さすがグラミー賞を総なめするくらいの人なんだな…と感動した。

 

Billeのポストの全文はぜひこの記事で読んで欲しい(といってもたくさん報道されているので私が言わなくともみんな読んでるかも…2回目)。

 

rockinon.com

 

今、デモは、だんだんと激化しているらしい。一部が暴徒化しているそう。私もSNSの動画でその様子をみた。一方で、暴徒化した一部と人たちのせいでぐちゃぐちゃになったところを市民みんなで綺麗にしているところの画像も見た。

 

人種差別も、デモも、早く良い方向に向かって欲しいと切に願う。

 

ちなみにだが、白人警官は捕まり、その妻は離婚を申請したそうだ。奥様はまともな方でよかった。そして白人警官は自殺の恐れがあるため、監視されているらしい(報道記事からの情報ではないよ)。自殺…よりも他に収監されている人から危害を加えられないように、ではないかな。アメリカでは警官が刑務所に入ると大変なことになるらしいし…(海外ドラマからの知識)